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成瀬デンタルオフィス

コラム:よい歯科医と治療がわかる本(秋元秀俊著)より抜粋

病気の原因・治療編


■歯医者さがしをはじめる前のアドバイス

削らなくてもいい歯を削り、かぶせるほど悪くない歯をかぶせてしまう傾向があることに注意すべし。
歯科の大きな治療は、ほとんどそれまでに受けた治療のやり直しである。とくにかぶせる治療には問題が多いと認識すべし。
良心的な歯医者さんでも、健康感、歯科医療感によって治療方針はさまざまである。歯医者選びは自分選びだと心得るべし。
保険診療では、歯医者の丁寧さも熟練も評価されないので、目先しか考えない治療をしがちだと知るべし。
エックス線診査さえちゃんとしない歯科医が多いと認識すべし。
口の中にフィルムを入れて撮る小さなエックス線写真を使わないと、初期の虫歯や根の先の病気、歯周病の正確な診査はできない。下敷き大のパノラマエックス線写真は大づかみの診査に使うものと理解すべし。
歯を削ったりかぶせたりする治療では、エックス線写真一枚で、治療の出来不出来がわかってしまう。きれいなエックス線を見せて説明してくれれば、その処置を信頼すべし。



■歯科の[病気の治療]についてのアドバイス

歯科の治療には、「病気の治療」と「悪くなったところの後始末」という種類の違う二つの治療があると理解するべし。
歯医者さんは良心的であってもしばしば、病気の治療を忘れて、後始末の治療だけをすると心得るべし。
悪くなったところの後始末ではなく、病気の治療(予防)を強調する歯医者さんは望ましいが、職人的な仕事が嫌いな歯医者さんが多いと心得るべし。
口の中の写真をとる歯医者さんは、自分の臨床から学んでいると評価すべし。



■虫歯で損をしないためのアドバイス

ブラッシングをしっかりしていれば、虫歯にならないと安心するナカレ。
虫歯になるか、ならないか、それは唾液の性質や量、飲食の頻度、歯の表面の性質、フッ素入りの歯磨き剤を使った歯磨き・・・・・によって決まると知るべし。
小さな虫歯を削って詰めても、虫歯が治るわけではないと心得るべし。
虫歯のかかりやすさは、人それぞれ。自分のかかりやすさを知らないとそんをすると心得るべし。



■虫歯の治療についてのアドバイス

歯医者が病気の自覚のない人に治療をすすめることは、難しいと知るべし。患者さんから治療意欲を見せたほうがトク。
虫歯の治療方法は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病と同じ。具合が悪くなる前に、病気に気がつかないと治りにくいと知るべし。
自分のかかりやすさを知って、生活習慣や唾液のリスクを減らし、歯の性質を強くすることが肝要であると知るべし。



■歯周病を難しくしないためのアドバイス

定期的に検査を受けて、かかりはじめのうちに治療せよ。
歯周病を治していたら、年をとっても入れ歯にならないと知るべし。
歯がなくなってからが腕のみせどころだ、と勘違いしている歯医者さんが多いと承知するべし。
年をとって歯がなくなるのは、簡単に削り、かぶせ、抜歯してしまう保険の治療が一因であると理解すべし。
かぶせた金属の下で、治療したはずの虫歯」がすすんでしまうことがあると知るべし。
歯周病は悪くならないと自覚症状がない病気だと知るべし。
歯周病の治療が難しいと思われているのは、悪くなってから治療を始めるからだと知るべし。
ひどくなった歯周病では、歯周病をすっかり治さず歯を残すか、抜歯をするかの選択を迫られることがあると承知すべし。
「絶対に歯を抜かない歯周治療」は、治療の見通し、苦痛、労力、時間、費用を考えると、だれにでもすすめられる治療ではないと承知すべし。
一時的な痛みや腫れがおさまっても、歯周病が治ったことにはならないと知るべし。



■歯周病は、ほっておくと損をするというアドバイス

からだを守るはたらきが、歯を支える組織をダメにすることを理解せよ。
細菌によって汚れた歯の根は、からだにとって「自分でないもの」とみなされる。
歯のまわりの病巣細菌の内毒素や免疫物質が、全身のさまざまな病気の間接的な原因になっていることに注意せよ。



■歯周病治療で歯医者さんを評価するためのアドバイス

歯ブラシの使い方をチェックしてくれない歯医者さんは、ちょっと困る。
若い歯医者さんであれば、患者さんの喫煙習慣や家族の病歴に関心を払っらていただきたい。
喫煙習慣や過去の病歴、家族の病歴などを調べれば、病気の将来予測がある程度できると知るべし。
ひどくなる前に対策をとれば、歯周病は簡単に治る病気と理解せよ。
家庭療法を大切にし、患者の組織の反応を診て治療計画を立てる歯医者は、まだわずかと承知せよ。



■歯周病治療のカギを知るためのアドバイス

歯周治療の大原則は、プラークコントロールである。
歯科衛生士が、プライドを持って仕事をしていることが、いい歯医者の必要条件だと考えよ。
目に見えるところのプラークコントロールは、歯ブラシの毛先で掃除するのが効果的。
歯間ブラシやフロスの自己流は、危険だと承知せよ。
見えないところのプラークコントロールには、歯科衛生士の力を借りよう。
口の中の写真を使い、エックス線写真を何枚も並べて説明してくれるなら、マル。



■ひどくなった歯周病の治療のためのアドバイス

ていねいに数日間磨いても、血がにじむとしたら、進行した歯周炎を疑うべきだ。
歯周炎がひどくなってしまうと、歯を守るか、機能を回復するか、見かけをよくするか、だれにも共通の正解はない。
患者のホームケアの能力が再発するかどうかを大きく左右すると承知せよ。
外科的な方法で歯周ポケットをなくし、メインテナンスしやすい歯茎の形態ををつくれば、再発の可能性は低くなる。
ひどくなった歯周病の治療では、病気の後始末も考えなければならなくなる。
歯を抜きたくないという希望と快適さや外見を回復したいという願望は、両立しないと理解せよ。



治療の受け方・歯科医師との人間関係編

■健全な患者-歯医者関係のためのアドバイス1

歯科の病気、とくに虫歯や歯周病は、元気な人の病気である。元気な人は、自分の病気を自分で診断してしまっていることを自覚すべし。
患者は治療法を自分で決めてしまうほど立場が強い。それに対して歯医者は、患者を病人として扱う典型的な医者-患者関係を求めたがることを知っておこう。
元気な人の病的な傾向を治療するとき、患者の理解・協力がなければ、治療が始められず、後始末の処置だけになりがちであることを知っておこう。元気な人の病気の治療は、難しいのである。
気楽に自分の要望を歯医者に伝えよう。元気な人の病気では、快適さが治療のゴールになるのだ。
一流の歯医者は、平凡な診療を楽しむ歯医者であると知るべし。



■健全な患者-歯医者関係のためのアドバイス2

自費治療だからこそ、「高額医療を受けているんだから」という甘えは通用しないことがあると覚悟せよ。
新聞記事や雑誌に載っている歯医者を探して受診するあなたは、しばしば自分の受けたい治療について確信に近い固定観念を持っていると自覚せよ。



■賢い歯医者選びのためのアドバイス

歯医者にとって、もっとも大事なのは、病気を診断する能力である。
「歯がしみるから神経を取る」のは、頭痛を治すために脳を取るようなもの。
上手ヘタよりも、患者のからだを守ろうとする姿勢の違いを評価せよ。
「ひどい痛みをすぐ治してくれたから名医」「すぐはずれたからヤブ」「しみるのをすぐ治せないからヤブ」は、必ずしも正しくないと知るべし。
痛くなって歯医者に駆け込むのでは、先々を考えた処置は期待できないとあきらめよ。
腕の良し悪しは、準備・手順・判断の良さで決まる。準備の良さの基本は、プラークコントロールと承知せよ。
スタッフが言葉少なくきびきびと動いていることは、重要なチェックポイント。
1回のアポイントが30分、贅沢をいえば1時間近くあればマル。



■保険診療と保険外診療についてのアドバイス

勉強熱心な歯医者は「保険の診療」を[本来の医療ではない]と考えている。
見かけの大切な治療は、少々高くても、自由な契約で治療を受けた方がトク。
歯医者さんが、保険と保険外の違いをちゃんと説明せず、使える材料の違いのように説明するのは、保険証を持参した患者に保険でできない治療をすすめていけないという決まりがあるからである。



■保険診療の問題点についてのアドバイス

保険と自費との違いは、保険契約か自由な医療サービスを受ける契約かの違いであると認識せよ。
保険の診療は、歯科医学とは必ずしも一致しない保険の決まりにもとづいて行われていると承知せよ。
保険診療の問題は、歯医者さんが患者の口の中よりも、保険のきまりに神経を払い、最適の処置を選ぼうとする倫理観の芽を摘まれていることにある。



■自費診療を受けるときのアドバイス

自費の診療契約では、患者はいわばお客である。患者は自分が受ける医療について十分に知り、自分で判断し、それに同意しなければ、診療は始まらない。
どうせ自腹を切るつもりなら、早めに、そのことを伝えておいた方がトク。
保険と自費の違いは、材料の違いだと説明されるが、本当にそう考えている歯医者さんの自費の診療はダメ。
プラークコントロールに熱心な歯医者さんでなければ、自費の入れ歯やインプラント治療を考慮する価値はない。
小さな虫歯を簡単に削ってしまわない歯科医師であれば、自費の診療でも損をすることはないだろう。



■歯医者の治療意欲の根源にあるものを知るためのアドバイス

悪くなったところの後始末の治療は、ただの後始末ではなく、快適に噛める状態を回復することが、治療の目標である。
医者は、私たちが考えるほど自分が患者の病気を治しているという実感をもっていないことを理解しよう。
かめない人が快適にかめるようになるとき、治療している歯医者は「治した」という実感を強くもつものだと理解しておこう。
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